パソコンインストラクターがクレームについて考える

パソコンスクールには、時々ですけど(月に1回あるかないかで)受講生からの苦情があります。
いろいろな原因がありますが、ほおっておくかどうか慎重な判断が求められます。

こんなのクレームじゃない!

クレームとは、お客様の要望よりもサービス提供側のできたことが低い場合に起きるコミュニケーションエラーです。
なので、次のようなケースはクレームではなく、嫌がらせです。これは別の対処が必要と考えます。

場合によっては弁護士さんに相談しなければならないケースもあります。
ただし、このようなクレームを言ってくる方に法的な論理が通じない場合も多いですので、対応に当たった人は、受け流すようにできる仕組みも必要です。

  • そもそもサービスの提供を受けていない
    お客様ではないのにクレームとして言ってくる人がいます。
    例えば本人は成人にもかかわらず、親だとか親戚だとかもこれです。
    サービス提供前にサービスをこうしろと言ってくる場合もです。それならそうしてもらえるところに依頼すべきです。
  • 対価を払っていない
    約束された金額を払っていない場合ですね。
    支払いが延滞していて、払いたくないからといって大声で怒鳴りこんだり、窓口営業の邪魔をしたりするケースが多いです。
  • サービス内容にないこと、絶対にできないことを要求している
    例えば、他社の営業さんが来社するので、そのついでにタバコを買ってきてほしいとか言うことですね。やらないと取引しないとか、自分の立場を悪用している場合です。脅迫ですよね。
    もう営業終了時間なのに今から納品に持ってこいとかという場合や、北海道の会社に明日中に九州まで資料を持ってきて説明しろとか、そういう要求です。
  • クレームに内容がない
    おかしなことにクレームの内容が全くない場合もあるのです。
    向かいの店舗の悪口だったり、同業他社の悪口だったりをクレームとして言ってくる場合もあります。
  • 人格否定
    普通のコミュニケーションでもですが、人格自体を否定されたのであれば100%アウトです。
    よく言うフレーズは、馬鹿じゃないのか、長年やってるのに何やってるんだ、そんなこともわからないのか等。実はこれ、言ってる本人は業務のミスを言ってるのでセーフと思っているのですが、人格否定だと思うので、こういわれたらはっきり「すみません、お伺いするのですが、それは人格否定をされているのでしょうか。そのように聞こえるのですが」と確認するようにしています。
  • 100%サービス提供側が悪い場合
    お客様との約束を果たしていないとかの場合はクレームではなく、速攻で対処しなきゃならないエラーです。これ、クレームって言っちゃいけないです。

正しいクレームとは

上記のようなクレームではないクレームと本当のクレームの境界線をはかり間違えるとさらに大きなクレームになるので注意しましょう。
本当のクレームと判断する基準は、唯一、事実に基づいているかです。嘘、誇張、妄想、虚偽がないこと。
これで判断できます。
自分の都合で話していることを悪質クレームと捉える場合がありますが、それは間違いです。
お客様は、お客様都合で話をするのが当たり前で、サービス提供側はサービス提供側の論理で話をします。
なのでお互いが事実に基づいてさえいれば、話し合いをすることができます。

怒りはまともに受けなきゃいけないのか

クレームの怒りを鎮めるためにとにかくお客様の話を聞く。それがいいと言われています。
ただ、それはお客様との関係にもよりますよ。ここ大事。
信頼関係のまだ構築されていないお客様であればある程度有効ですが。
信頼関係が構築されているお客様であれば、いつも通り普通に話します。萎縮もしません。特にこちらも悪くないと認識している場合は。
大事なのは、お客様も、クレーム対処は怒りを鎮めるために話を全部聞く、という情報に触れていることです。
ああ、マニュアル通りの対処だなぁとか、見透かされる可能性もありますからね。
もう一つ大事なのは、あくまでお客様のクレームは会社に対してのクレームであって、個人に対してのクレームではないのが原則です。
それをサービス提供側が崩した時点でただのケンカ、なにも解決しないのです。
だから、個人攻撃に聞こえるものは受ける必要がなく、本質的な要望だけに耳を傾ければいいのです。

目指せクレーム0

私はパソコン教室時代、クレーム0期間を5年続けました。
基本的にパソコン教室はちゃんとしている限りクレームが出ないはずなのですが、時々、はじめに聞いていた話と違うというお客様がいまして、大体の場合は相互の勘違いだったりもするので、なにかあったらすぐに相談してもらうようにしていたりして、クレームが出ないようにはしてました。
でも、会社の仕事のことを教えてほしい、もしくは会社の仕事をしてほしい、こっちは金払ってんだぞ的な方もいらっしゃいまして、結局言った言わないになって、こっちも悪かったなということでクレーム0期間が途切れてしまったりしたのです。
はじめはそのような生徒さんが来るなんて常識的に想定してないし、想定もできないので、このようなことが起きるのですが。
ここで言いたいのは、想定できないことはクレームになりやすいこと、そして、それが想定できていない時点でクレームが出るのは時間の問題ということです。
これはお客様だけではなく、対応するスタッフも完璧ではない限り起きることです。
でも、完璧な人ってこの世にいますかね。全くミスしない人。全部が瞬時にわかる人。
もしいるのであればクレームにならないでしょうね。素晴らしい世界。
でも、現実はそんなことありません。
つまり、クレームは、いろいろなお客様がいること、いろいろなスタッフがいること、これを想定していない企業の責任です。
でもそれができる企業があったら幸せですね。
なので、初めに様々なケースを想定して、それの対処をすべて決めておく必要があるのです。
私も5年の間、クレーム0にしていましたけど、ヒヤリハットはかなりあって、予防、早めの対処で乗り切ってきたこともあります。
その中にはクレームの境界線まで行ったものもあるし、もちろんほおっておいたらその受講生は教室をやめていたでしょう。受講生をそんな不幸にはしたくないので、頑張ってきた次第です。
何が言いたいかというと、要望までクレームに入れたら、それはもう0にはならないし、もし本当に0にするのであれば、クレームの基準を決めて、現場に周知しないと現場も仕事にはなりません。
もちろんですけど、目指すべき目標は、要望が出ることも含めてクレームが0になるようなサービスであることは、間違いありません。
それから、クレームを出さないことは企業の利益ではなく、お客様のためだということも強く言いたいわけです。

次回

クレームについての考え方はシリーズ化していきたいと思ってて、その第1弾、クレームの定義と対処法について簡単に書きました。
もう第二段のネタは考えてあって、近日公開します。
テーマは「社内クレーマーへの対処」。面白そうでしょ。

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