RFM分析をExcelでやってみる

ビジネス分析の手法はたくさんあるもので。
簡単なのは単に合計や平均を出すものから、大規模な統計的処理をして求めるものまで。
ところで、一昨年は活動テーマとして統計を扱ってきました。でも、統計が大事っていう本はたくさんありますが、アンケートを集計するようなものか、原子の崩壊がどのくらい起きるかという科学的な統計学を扱っているものがほとんどのように思えます。統計学の基礎から理解するならそうなのでしょうけど、実際にビジネスの現場で扱われているお金や人の動きについて分析するものとは少し違うのかもしれません。私はそれらを統計学と区別するために、ビジネス分析と呼ぶことにしています。
そのビジネス分析の、わりと最高峰に位置づく方法で、RFM分析というものがあります。
手法としては最高峰ではあるのですが、方法はとても簡単なので、紹介します。

RFM分析とは

RFM分析とは、顧客ごとの購買行動を分析する手法です。
Rは最近いつ買ったか、Fは何回買ったか、Mはいくら買ったかを表します。
顧客ごとにこれを計算します。

顧客を特定する必要があるので普段より会員番号などで管理する必要があります。

RFM分析でわかること

ざっくり考えてみましょう。
最近いつ買ったか、その日付がだんだん前になってきているのであれば、客離れになっているのです。
Fの多い人が以前に比べてRが下がってきたら、なにかの阻喪があったのかもしれないです。
Mの高く、Rが大きく、Fが低い人が多いということは、客単価の高いお客様が増えたということになります。
Fが低く、Rも低いのであれば一見さんが多いといえるでしょう。
また、顧客一人一人がどのフェーズにいるのかわかるので、店離れしているのであればDMを出してみるなどのことができます。

ExcelでRFM分析をしてみよう!!

RFM分析をするには、販売するごとに、販売日、顧客(会員)番号、購入金額を記録している必要があります。
さらにそのデータが次の形でExcelになっていなければなりません。

まず、空いている列に、縦に会員番号の一覧を作成します。

このように会員番号の隣に来店回数。合計お買い上げ金額、来信来店は何日前かの列見出しを作成します。

来店回数の計算式

来店回数の計算式は次の通りです。

=COUNTIF(元データの会員番号の列,その行で指定する会員番号)

今回の例でセルB2に入力する計算式は次の通りです。

=COUNTIF(B:B,E2)

合計お買い上げ金額の計算式

合計お買い上げ金額の計算域は次の通りです。

=SUMIF(元データの会員番号の列,その行で指定する会員番号,お買い上げ金額の列)

今回の例でセルC2に入力する計算式は次の通りです。

=SUMIF(B:B,E2,C:C)

最新来店日の計算

一見、最新来店日の計算方法は想像がつかないのですが、実はとっても簡単です。
Excelの日付も大小があります。昔は小さく、未来は大きいです。
ですので、その会員の中で一番大きな日付を求めれば、最近いつ来たかが求まります。
ということで、MAXIFS関数を使います。計算式は次の通りです。

=MAXIFS(日付の列,元データの会員番号の列,その行で指定する会員番号)

今回の例でセルD2に入力する計算式は次の通りです。

今日より何日前かを求めるので、TODAY関数より引き算をして、経過日数を求めます。

=TODAY()-MAXIFS(A:A,B:B,E2)

もし表示形式が変わったら標準形式にしましょう。

ここまで出来たら、B2からD2の範囲を下にコピーします。

この状態で分析するなら、最新来店は何日前かで並べ替えをすれば、最近来店日ごとの顧客の傾向がわかるでしょう。

RFM分析をグラフ化する

はじめに残念なお知らせなのですが、RFM分析はExcelのグラフで表現する方法がありません。
今回はそれぞれの関係を見るので、散布図的に、どのデータがどの位置かを表します。この表現ができるグラフは、Excelでは散布図のみです。
散布図は縦横の2つの要素を描きます。
しかし、RFM分析は、R、F、Mの3要素。

ということで表現する手段がないのです。縦横高さが表現できればできるのですが。
ということで、一番分析になるのはRF分析の2つの要素によるグラフです。
横軸(X)がR、つまり、最新来店日は何日前か、縦軸(Y)がFつまり来店回数を指定します。

来店回数の多くてしばらく来店していない人はあまりいないようですね。安心できます。
ほとんどの人が2か月以内には来店していますね。
とりあえず問題はないように見えますが、120日近く来ていない人は10回の来店回数があります。
これがどのくらいのスパンの中での来店回数なのかを調べて、もし定期的に来ていたのが来なくなってしまったのであればフォローが必要です。
同様にRM分析もできます。

おそらく一般的にはFM分析は同じような傾向なので正の相関があるようなグラフになるでしょう。そうならなっかたらそれなりの理由があります。単価のバラつきのある商品ラインナップとか。

まとめ

RFM分析は、ビジネス分析の中で何が最高峰かというと、読み取れる情報の数が多いことです。
ただし、これだけではなく、基本の平均や分散、ヒストグラムの分析もR、F、Mそれぞれに対して必要です。
でもExcelって改めてすごいですね。
たった3要素のデータからこれだけの分析できる情報を読み取れるのですから。

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