日商原価計算初級を受験しました

本日日商原価計算初級を受験し、無事合格しましたので、試験のことや合格までの勉強法をお話したいと思います。

受験の理由は、日商マスターというデジタル人材育成の指導者の認定する仕組みがって、日商PC検定の文書作成、データ活用、プレゼン資料作成の3科目で2級以上の合格+日商簿記検定初級か日商原価計算初級の合格が必要だったため、受験しました。

日商原価計算初級とは

日商原価計算初級とは、日本商工会議所が主催する簿記検定があり、その中の1つの試験です。日商簿記検定の2級と1級では原価計算の分野が出てくるのですが、それ以下の級だと原価計算は試験の範囲に含まれていません。

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原価計算は特にものづくりをする企業にとっては大事な経営の考え方の一つですので、仕事をしている全員がある程度わかっておく必要があります。

日本商工会議所の簿記検定2級はかなりハードルが高いのですが、今回私が原価計算初級を受験したところ、それほど難しい知識が出てきているわけではありませんので、2級に合格しなくても、原価計算ができる証明という意味で、独立した資格になっているのではないかと思います。

簿記 原価計算初級 | 商工会議所の検定試験

試験の実施について

試験は随時試験になっており、日商原価計算初級の公式サイトに載っている試験会場に直接問い合わせ、受験日を決めます。

受験料は2,200円税込みです。試験時間は40分、合格ラインは100点中70点です。

解答はパソコン上で行います。知識を問われる選択問題や、実際に計算を行いその結果を表に入力していくという操作を行いますので、まったくのパソコン初心者には内容以前の解き方として難しいかもしれません。

基本機能のみの電卓のみ持ち込みが許されています。

原価計算とは

そもそも原価計算とは何を指しているのか、この試験での定義について解説します。

工場や飲食店では、1個販売するのに材料を購入しますよね。これが材料費です。それを加工や料理しその分の給与が発生します。これが労務費です。この2つは販売個数に比例して必要になるものです。

対して、工場でも飲食店でも土地や建物を借りているのであれば家賃が発生します。これは販売個数に関わらない費用です。

このように販売個数に対し比例する費用とそうではなく固定で発生する費用があります。

この費用によって比例する費用を変動費、固定して発生している費用を固定費と呼びます。

費用はこの合算で求められ、売上金額よりも費用が高ければ赤字となります。赤字にならないためには利益を上げることになりますが、利益は売上金額から変動費を差し引いた貢献利益を求め、それを固定費から割ると、赤字にならない最低限の販売個数が求まる、といったことを計算し、なぜ売り上げが上がったのか、なぜ目標に届かなかったのかを検証するのに役立てるのが原価計算です。

どんなことが身につくのか

商品を販売するうえでどんな費用があるのかを理解できます。

変動費や固定費という考え方のほかに、その商品に使われた費用なのかはっきりしない費用もあります。例えば工場の材料でも接着剤などはたくさんの製品に少量ずつ使っていくので、どの商品にどのくらい使ったのか、はっきりとはしないかもしれません。はっきりしている場合は直接費、そうでない場合は間接費と呼びますが、材料に対し直接費なのか間接費なのか、労働に対する給与に対し直接費なのか間接費なのかという考えかた、材料でも作るための労働でもなく、本社で社員の給与計算をするスタッフの労働などは費用としてはそれ以外の一般管理費として管理し、そのうえでそれぞれの商品が赤字だったのか黒字だったのかを計算します。

また、予定していた売り上げ計画に対し、何が原因でどのくらい低かったのか、高かったのかを具体的な金額として分析できます。

私は、帳簿の種類や仕事の流れによってどの帳簿に記録するかという感覚を新たに得ることができました。材料を購入したときの帳簿、製品を作って材料を消費したときの帳簿、製品が完成し販売できるようになった時の帳簿、という流れがとても新鮮でした。

勉強法

よいテキストが比較的安価で販売されていますので、それで勉強されることをお勧めします。

私は2つのテキストを使いました。

土日で合格る日商原価計算初級

ポイントが絞られて解説しています。

土日だけで勉強できる内容でした。

しかし、私には残念ながらあまり理解を深めることができませんでした。

スッキリわかる日商原価計算初級

そこで、もう一冊、調べてみたら実際にWindowsのパソコンで動く模擬問題が付属している問題集を見つけたのでこちらを使ってみました。

確かに「土日で合格る日商原価計算初級」で掴めなかった感覚に届きました。振り返ってみると、それは、「土日で合格る日商原価計算初級」で基本ができていたからだと思います。

また模擬問題もランダム出題でいろいろな問題が出題されるものだったので、役に立ちました。どうしても理解できないところもありましたが、模擬問題を解きながらきちんと計算することでこうやって計算すればいいのかと腑に落ちました。

実際には「スッキリわかる日商原価計算初級」をはじめにやってもチンプンカンプンで、はじめに「土日で合格る日商原価計算初級」をわからないながらも読み切っておいたことが最終的な理解につながったと思います。

以前に日商簿記3級に失敗しているので、簿記用語には苦手意識がありました。しかし、この2冊を嫌だなぁ、理解できないなぁと思いながらでも無理やり進めたことによって、用語が染みついてきた感じがします。

試験の結果

試験の結果は97点で合格。逃したのは1問で、やはり選択問題の知識試験の問題だったようです。どこが間違いか今振り返ってもわからないので、やはり100%の理解はしていないようです。

今後のステップアップ

高得点で合格したので、次のステップとして日商簿記3級を目指したいと思います。というのも、私自身のフリーランスとして活動するうえで小規模企業向けが3級なのでそこを目指します。

その前に簿記初級というレベルに挑戦しようと思ったのですが試験ができる会場が近くにないので試験会場がたくさんある3級を受験しようと思います。

2級になるとかなり難しくなるので、3級合格後に自分にとって必要か判断してその時に決めたいと思います。

まとめ

モノづくりをすれば必ず利益を気にしなければなりません。売り上げに対する費用があって、その差分として利益が発生しますが、販売した個数分だけが利益になるのではなく、固定費以上の利益を上げなければ赤字になります。

そのような経営に関わる基本的な感覚を学習できるのが日商原価計算初級だと私は思います。

これは経営層だけが知っていればいいわけではないと思っています。実際にモノづくりをしている一人一人が、これはどんな利益に繋がって、そのために仕事をしているという責任感を持って仕事をすることができます。

そうしないと、ただ日々を過ごし、その対価を月に一回受け取るだけになってしまいます。

自分は会社にとってどんな役割を果たしているのかというアイデンティティを確立し仕事ができるようになるので、きっと仕事が楽しくなると思っています。

原価計算初級を勉強し、そう思いました。

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