読書感想文・会計ソフトのすき間を埋める経理のExcel仕事術

この本の読書感想文です。Excelの世界観がヤバいくらい近未来的でこうなったらいいなあという世界を見せてくれる本でした。

私は普段より、パソコンは得意だけども、可能であれば一切パソコンに触れたくないとも思っているのです。だって今のテクノロジーがあればパソコンを触らなくても人間が同士で欲しいってパソコンに伝えるだけで仕事が進んでしまうということが現実的に可能だと思っているからです。
でも実際にはそこまでのテクノロジーの発展とはなってなくて、ほんの少しだけですがパソコンに自分のやりたいことを丁寧に伝えてあげる必要があるのです。
でもそれが1クリックだけの話なのか、リボンをクリックして3回ぐらいクリックして何かの機能を呼び出すのか、それともデータを目で見て探してそれに該当するところをコピーして別の表に貼り付けてちゃんと張り付いてるかチェックするというところまで必要なのかというもののどのレベルなんでしょうか。
できるのであれば1クリックもしたくありません。キーボードを1キーも押したくありませんし、なんならパソコンにこういうことを初めてよと指示することすらしたくないです。
それは夢物語だとして、でもそこに一番近づけるためにどれだけ操作を減らしていけるかがこれからのパソコンの使い方になってくると思うんです。
あと、 誰かにエクセルを教えることも今とても難しくなっていて、ネットを通してアップデートされると同時にリボンからの操作の仕方がまるで変わってしまったりだとか、今まで出来ていた事が出来なかったりだとか、Excelが常に進化し続けているのである方法を誰かに教えたとしてもその方法は明日には使えなくなっている可能性すらあるという現状があります。
なぜ読書感想文なのにはじめにこんな話をしたかと言うと、この本はこのような時代背景の中で全く新しいアプローチのこれからのExcelの覚え方の本だったからです。
本の題名に「経理の」とか「会計ソフト」だとか書いてありますが、この本のうちの3割くらいはそんな内容なのですが、残りの7割は、その新しい Excel の状況に合わせた全く新しい Excel のトレーニング方法で書いてある Excel の使い方の本なのです。
色々感動的なことが書いてあるんですが、この本の初っ端から、「ショートカットキーを覚えて普段の仕事業務効率化して時間を作ってこの本で勉強して下さい」と書いてあります。私はショートカットキー反対派なのでショートカットキーを覚えてというところは意見が違うのですが、そこは重要ではなくて、この真意はとにかく目先にあるすぐにできる業務効率化をして1時間の作業のうち、1分でもいいからまずは短くして、次の業務効率化する準備をしなさいよと言っているのです。これもかなり依頼料のお高いITコンサルがアドバイスしていることですね。
このような本を作ろうとすると、どうしても教科書になってしまいます。パソコンの教科書であるということは機能一つ一つの使用方法を細かく正確に解説するというものになります。
でもよく考えてみてください。今日の操作方法と明日の操作方法が違うかもしれない今のエクセルの状況で、果たして一つの方法をあたかも暗記しなさいと言っているようなアプローチで教えることが読書のために本当になっているのでしょうか。
世の中には正しい操作方法を教える教科書は絶対なければいけないものなのですが、日々操作方法が変わる中ではその方法は逆に固定観念を生んでしまう可能性すらあります。
この本では、紹介する機能が実はめちゃくちゃ少ないです。
その代わり、色々なケースで使える方法がこれでもかというくらい繰り返し実践的に学習できるようになっています。
ざっくり言ってしまうと、関数はSUMIF関数とVLOOKUP関数しか紹介していないとも思えてしまうかもしれません。それならこの本に意味あるんですかって思っちゃうかもしれません。
その二つの関数だったら使い方がわかるよという方がいるかもしれませんが、果たして本当に使えてますか。
この二つを使うと Excel で業務効率化する例えば請求書作成するツールをものすごく短時間で作れるんですが、そこまで思いを馳せて実際にこの関数を作っている人がいるかということです。
その感覚をつかむためには、色々なケースで実践的に学習して何が良くて何が悪いのかを知っておくことがものすごく必要なんです。
本当に分かっている人にとっては繰り返し学習の必要はありませんけど、そういう方にとっては後輩とかに Excel を教える時にこういう教え方したらいいんじゃないのっていう参考になります。実はこれがものすごく私の一番伝えたいこの本のメリットです。
この本のタイトルに「教科書」とついていなかったことがものすごく優秀なんです。教科書をだったらいろんな機能を一番簡単に操作できるやり方でそれぞれ一つずつ紹介していくことになるんですが、この本はものすごくやることをシンプルに絞って、でもたったそれだけのことでもものすごい効率化ができるんだよっていうことを教えてくれる「 Excel の教科書」 ではなく、 Excelの素晴らしさに気づかせてくれる「エクセルの本」なのです。
今の世の中、ネットを開けばわからない操作方法は全部解説してあります。ネットを開くまでもなく、何かやりたいところを選択し右クリックすれば、それをするためのものを見つけることができる、そんなパソコンの原則もあります。そんな中いわゆる「Excelの教科書」はこれから苦戦を強いられていくことでしょう。意識を高く持ってパソコンの勉強を独学でしたい人は、全ての操作がネットに書いてある以上、その情報が書いてある本には価値を見出しません。だんだん世の中がパソコンに対して詳しくなってきたら、今までのパソコンのスタンダードな教え方が通用しなくなる、そんな時代になります。
この本は、そんな時代に生まれるべくして生まれた、新しい感覚で、でも本来そうあるべきだったパソコンの勉強法を教えてくれる本です。
この手の本のなかでは値段はかなり高額な部類に入ると思います。
でもこの本からもらえるものの価値は、今までの Excel 教科書から得られるものの 100倍、いや、もう比べ物にならないくらいの大事なものを気づかせてくれます。
この本を読む前にこの読書感想文を読んで、この本を読み終わった後にこの読書感想文をもう1回読めばたぶんそれだけでこの本の価値が2倍になると思います。
この本から滲み出るメッセージはこんな風に読んでもらえば受け止めることができるんじゃないでしょうか。
この本の読者として想定されるのは、もちろん経理ソフト会計ソフトを使っていらっしゃる方でなんかそれだけじゃ足りないなと思ってる方、あとエクセルでこれできるだろうって思ってるけどそれが実際自分でやってみるとできない方、あとエクセル初心者です。あ、あともう一つ、 Excel を教える立場の人です。本のタイトルに経理、会計、という言葉が入っていてないようにもそういう内容が触れられてはいるのですが、特にその専門の職の人じゃなくてもその部分は読み飛ばしたとしても全く価値が失われるものではありません。もちろんその専門職の方が見ればそれはそれでとんでもない価値を持つものになります。
この本の欠点は、欠点ではないのだけど、やはり値段かなあとは思います。内容の価値としてはその値段の2倍以上にはなっていると思いますよ。
あとこの本ではVBA、マクロには触れられていないのですが、ここにそのような自動化が組み入れられてたら、それはそれでとんでもないシステムが自らの手で簡単に作れるようになります。
このコンセプトのまま、経理業務である程度使うであろう、入金伝票や出金伝票からの最終的な経理書類までのアウトプットの流れもできるドリルがあればこの本の価値は3万円を超えると思います。
私くらいこの本を読みこめば30万円ぐらいの価値になりますけどね。

サトウヨシヒロ

Excelを中心としたMicrosoft Officeの魔法使い。
仙台市在住のフリーランスのパソコンインストラクターです。
1969年1月生まれ。
Excelを黎明期から30年近く使っています。Wordも使えます。
出版社様と一緒にExcelの情報発信もしています。
最近は羊に夢中です。
2020年は令和時代のExcelの使い方と教え方を勉強しています。

Twitterでも業務で使える便利なOffice技をめっちゃつぶやくツイッタラーです。@yosatonet

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