セル参照で$A$1、これは絶対参照ですね。コピーしても参照元は絶対にここを参照するという意味です。
 $A1というものもあります。アルファベットの前に$が付くものです。これはA列が絶対参照で1行目はコピーすると参照元も移動する複合参照です。
 A$1というものもあります。数字の前に$が付くパターンではAは移動するけど、必ず1行目は見てねという複合参照です。
 言葉にすれば簡単で、アルファベットの前につけば列が固定になり、数値の前につけば行が固定になります。
 今でこそこの方法、考え方はいろいろなところに情報があって、すぐにわかるのですが、Excelが世の中に出始めたころは、Excelの300ページくらいのマニュアルしか情報がなく、これが絶対参照というものだということすらわからなかったものです。
 今回はエッセイ的に自分が自力で複合参照にたどり着いたときのことをお話します。
$ってなんだ?
当時のExcelのマニュアルは、機能編と関数編に分かれているマニュアルでした。
 関数を使う時は、どんなことをしたいかを考え、このマニュアルではどんな表現で書いてあるだろうと想像しながら探して使っていました。
 絶対参照を知らなかったとき、割合を求める関数を探したのですが、どうしても見つかりませんでした。今でも割合を求めるExcel関数はありませんね。
 関数編を見ていてもなかったので、割合は機能編の数式の導入に書いてあり、なんとかたどり付きました。
=A1/$A$10
確かにこの計算式を入力すれば、A1がA10の中の何パーセントかを出すことはできました。
 この$はなんだろう?と思いました。とりあえずセルA10を見ていることはわかりましたが、$A$10はセルA10のことなのだろうかとちょっとの時間ですが、悩みました。
 考えてもわからないので、実際に操作してみました。
 コピーすると$が付いているA10のセルの参照がかわらなかったのです。
 それまで12個の値の割合を、12個の計算式で求めていたのですが、その必要がなかったんだと認識しました。たぶんできるだろうなとは思っていました。
なんで$が2つ?
セルA1を固定するなら$A1でもいいんじゃないかと思いました。どうして$が2つ入ってるの?という疑問です。
 $A1$なら$で囲んだセルが固定になる、ということなんだろうかと勘違いしてしまったので、かなり悩みました。
 そこで、$を一つだけの次の式を入力しました。
=A1/$A10
この計算式を下にコピーしてみると、A2/$A11とずれました。
 今度は次の計算式にしました。
=A1/A$10
下にコピーすると、常にA10 で割った計算式になりました。
 なるほど、これで10行目が固定という意味か、なら横にコピーしたら列が移動するかなということでやってみたらB2/B$10になりました。横は動くけど、縦が動かない、片方だけの固定になるんだなという認識を持つことができました。
 最後に次の計算式であれば、A列が移動せずに10行目が移動するはずと考えました。
=A1/$A10
予想通り横にコピーしてもA列は動かず、縦にコピーしたら10行目は動きました。
 これで片方だけに$がつくということ理解しました。
まとめ
情報がなくても複合参照を攻略できたのは次のきっかけがあったからです。
- マニュアルをよく読んだ。
 
- マニュアルに出てきたことを実際に操作してみた。
 
- $が2つ付いているのに疑問を持った
 
- $が一つしか入らないケースでも操作してみた。
 
このあたりがポイントだったと思います。

 
 
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