震災とパソコン活用第一回「震災と仕事」

今週で東日本大震災から10年目を迎えます。

ExcelやWordを使える人間として、震源地の宮城県仙台市で生の感じたことを伝えることが誰かの何かの役に立てばいいなと思い、今日から3月11日を挟んだ4日間で、震災の時にできたこと、できなかったこと、パソコンを使えばよかったことを私の立場で伝えられたらと思います。

思ったこと

私は揺れている最中に「戦後から始まる」と思いました。

そのくらいすべてが変わると思いました。

実際にはそこまでではなかったのですが、大袈裟ではなくそのように思いました。

仕事はどうなるんだろう、生活はどうなるんだろうという心配もありましたが、世の中すべてがどうなってしまうんだろうという不安だけがありました。

震災に対する思いは一人一人違う

もちろん私以上に想像もできないくらいの被害があった方もいらっしゃいますし、全く被害がなかった方もいらっしゃいます。

私自身は物理的な被害という被害はありませんでした。多少、家の玄関が壊れたくらいです。

それを被害というのかわかりませんが、生活の中では数日間断水したのと電気が来なかったこと、プロパンガスを使っていいのかわからずに数日プロパンガスを使わなかったこと、家にどのくらいの被害があったかわからなくて車で寝泊まりしたのが二日間あったくらいです。一番大変だったのが移動するにも車が必要だったのですが2週間程度ガソリンが流通しなかったことがあります。あとはなんとか我慢すれば我慢できるものでした。食べ物は十分にストックされていましたし、近所のスーパーのご厚意で賞味期限が近づいている野菜などは配布されたので助かりました。ただパンだけがなかなか入荷しなくて 無性にパンが食べたくなった記憶があります。

周りの話を聞くと沿岸に勤めている家族とずっと連絡が取れずに探しに行ってやっとの思いで会えたとか、家と連絡が取れないので帰っても家があるかどうかわからないので帰れない方もいましたし、反対に全く被害のなかった近所の方もいらっしゃいました。

被害の大きかった沿岸部でも、たった道路を一つ挟んだだけで全く被害の状況が違うということもありました。

私の周りだけではなくもっと広い範囲で見れば、福島では想像を絶することが起きていましたし、 首都圏でも液状化現象や長周期振動による被害があったと聞いています。

逆に熊本で地震があった時は、実際に私は被災していないので、ある程度距離を持って見ていました。

このように一人一人の被害の状況も違いますし、見て体験した内容も違います。被災地と呼ばれる中でも被害の大きかったところ、被害の大きかった人、全く被害を受けなかった人でやはり意識の違いがありました。

仕事と震災

震災は金曜の午後に発生しました。地震直後、私の会社では全員帰宅する決定がなされましたが、私は本社とは別の所で働いていたのでその連絡が入らず、また連絡も取れないのでずっと仕事場にいたのですが、家から玄関が崩れたという電話が途中で切れてしまい、いてもたってもいられなくなり、自主的に帰宅しました。

そして翌週、震災があっても仕事は比較的通常通り動くもので、自分が他の人と比べてどれほどの被害なのかわからない中、どうしても出社できない状況の人もいましたが、ある程度会社に人は集まりました。

いろいろな状況の人がいて、自分より被害のあった人でも出社しているのを申し訳なく思いました。

非常時は、仕事の使命や責任というものとは一つ違った何かに突き動かされ、仕事をしていました。命令指揮系統もしっちゃかめっちゃかで目の前にある仕事は自分ですべて判断し解決しなければなりませんでした。

また顧客との連絡もしばらく取れないでいたのですが、連絡が取れ始めるようになると、非常時だし連絡も取れないんだし色々なものを先延ばししてもいいよねと考えていると、その状況では許されないことがたくさんありました。顧客はいいと言ってくれても会社が納期通り納品しないとヤバいということもあります。顧客との連絡が取れない間業務が止まっていますが、その時間は取り戻さなければならないのです。しかもまだ災害が落ち着いてないにもかかわらずです。

通常時と非常時の違い

通常時は納期に間に合わないようなことが不可抗力であったり、後から顧客都合であったりした場合は、それをきちんと解決してから動くものです。

しかし、非常時はその判断が組織として完璧にできるかはわかりません。だからやるしかないものはやるしかないと考えていくしかない場面が非常に多くなります。

とはいえ、時間やコストは有限ですから、入荷しないものは入荷しないし、人員も限られた量でしか使えません。さらに、そのような業務と当時に震災後処理も入ってきます。

でもやるしかないのです。

普通の時はこの考えが異常だと思うのですが、非常時には異常だとか正常だとか考える前にやらなければならなかったのです。それが何故やらなければいけないのか、正しさとはなにかを考えることはありませんでした。

だいたいそんな状況が1年ぐらい続いていたかと思います。

そうすると落ち着いた後の通常の業務でも非常時のようにやるしかないになってしまうので、その意識が戻らずに少し苦労しました。

とにかく早く作る

仕事やパソコンを使った業務は、仕様、契約といった相互の確認によって成立することが多くそのルールをみんなが守るから、仕事が安心して出来るものだと思っているのですが、非常時にはその考えが通用しなくなるということを実体験しました。

そういう世界を見てしまったので、逆に契約や書類ベースで確認するものに対しての重要性の感じ方が人とは違うようになってしまいました。

そうするとパソコンの使い方にも影響し、何をするにしても、非常時のあの時だったらこんなことをしていたら間に合わないなとか思うようになりました。とにかく早く作りまわすものをいち早く回すということが何より重要だと考えるようになったのです。Excelでのツールづくりに関しても、とにかく早く作るということを自然にするようになりました。

それは、実は非常時以外でも役に立つことが多い考え方でした。Excelツールは作り直すのが大変だということがありますが、一つ一つのものを改造して作るよりも動きがわかっているなら最初から今いる人本人がわかるような形のものを0から作ればいいですし、新型コロナウィルスのことで政府から新しい方針が突然発表になったとしてもすぐに対応できます。新規事業を立ち上げるにしてもうまくいくかどうかわからない事業で使うシステムを高額である程度の納期をとって発注することなく用意することができるのです。

次回は明日の「震災時にパソコンで役立てること」

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