Excelの怖いところ

先日、次のようなツイートをしました。


結構みなさんに見ていただけました。
何が正しくないかというと、合計金額を求めるには単価×数量の合計で求まるのですが、そのためには計算のプロセスとして1行1行の単価×数量を求めて、その計算値を合計するわけです。ところが、単価を合計したものと数量を合計したものをかけてしまっているのです。
でも、これを文章で書いてもピンとこない感じがします。
そこで、例えば300円のもの2個と400円のもの3個の合計金額を求めるとき、上の間違った計算方法で求める場合と、正しい計算方法で求める場合での計算値の違いを見せて、正しいのはどちらでしょうと言って、はじめて実感できそうです。
つまり、文章問題になったときには、正しく理解できるものでもExcelの一覧表になったとたんに計算方法が見えなくなる、こんな現象があるように思います。
これは決して珍しいことではなく、よく現場で起きていることも見ましたし、パソコンスクール時代に教えている生徒も何人もこのように求めていることを経験しました。
教え方が悪いと思って、ゼロから集計できる練習問題を追加したり、集計表の構造について講義することでわかってもらえるようになりました。

原因

このツイートで一番多かったリプは算数を理解していないのでは?という見解を頂戴しました。
たしかに私もそう思います。
でも、間違った人の中には職歴も長く、このような集計をたくさん今までやってきただろうなという人もたくさん含まれていました。
そこで、算数以外のところでどんな意識があってこのようなことをするのか考えてみました。

Excel関数に依存している

Excelの計算は関数以外のものはないと思っている方も多いです。
だってExcelって関数が大事なんですもん。
ここを間違ってしまうんですよね。
Excelは関数って大事だけど、関数ではない四則計算でも計算できる。
否。
基本は四則計算で求めて四則計算で求まらないものや求めにくいものを関数で計算する。
という大前提をもう一回思い出してもらう必要があるのかなと。

新しいセルに何も入れてはいけないと思っている

空白のセルには何もいれてはいけないと思ってしまいます。
もしくは許可がなければ入れられない。
これはExcelの問題集をやりすぎてると起こる現象で、新しいセルに計算すれば楽に計算できるものを絶対に今あるセルだけで求めなければならない、もし空いてるセルに入力していい場合はそう指示されているはずだという思い込みがこのようなことをしてしまうのです。

Excelは優秀だからなんとなくな計算式でも計算してくれる

もちろんExcelはいろいろなことができます。
しかし、どんな風にするかは人間が支持する必要が絶対にあります。
これはともすればプログラムの話にもなるのですが、コンピュータは、やり方を教えなければ計算しません。
間違った計算方法を指示すれば間違ったようにしか計算しません。
このように、指示したものは指示した通りにしかならない、間違いはExcelのせいではなく、計算式を作った人のせいそのものなのです。
だからこの、他人ごと意識を変えない限り、間違いは全部Excelのせいという甘えを無くさない限り、Excelは言うことを聞きません。

対策

このようなことをしないためには。

  • 1行1行が小計を求めるべきデータであるということを知る
  • 計算表を作る前に計算プロセスを考える

これを徹底するために何度も様々な集計問題を繰り返し行う必要があります。
理解するには、せめて10種類はしないといけないと思っています。

最後に

私は、このように間違いを、勘違いした方を非難しません。それはあくまで勉強の仕方を少し間違えただけに過ぎません。早い段階でこの考えに気付いて修正できれば何も問題ありません。
怖いのはうちの会社にこんな間違いをする社員はいないと思っている経営層の方々や、こんな間違いをするExcelユーザーはいないと思っているExcelインストラクターです。
このような間違いは、おそらくパソコン特有のもので、紙と鉛筆と電卓ではこのような間違いはおそらくですけど少ないだろうなと思っています。
パソコンはなんでもやってくれるので甘えが出たり、このくらいはやってくれるよねという油断はパソコンである以上、誰しもが陥ると思っています。
私は絶対にそれに陥らないと自負していますが、それは、いろいろな経験をしているからです。Excelに限らず、様々な業種の様々な現場での経験があるからです。
その経験がなければ、いつパソコンの罠に陥るか、わからないと思っています。
だからそうなる前に対策をとっていかないといけないと私は思うのです。

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