Excelを難しく考える理由とその対応

Excelを仕事の中に導入しようとするとVBAとかマクロとか、なんだか難しそうなものを勉強しなければならないような、そういったものを一部の人が勉強したとしても勉強しない人にとっては黒魔術にしかならないのでブラックボックスになって気味が悪いというところがあると思います。

しかしそんな中でExcelを業務に有効活用している企業はたくさんありますし、そのような企業は私のみた印象ですがとても元気がある成長する勢いがある企業のように見えます。

Excelを使っていても、一切計算式や設定を使わずに手入力でセルに入力している企業も中にはあるのですが、その理由は、後で誰が見てもわかるような形にしておきたい、という建前の元、実際には理解できない気持ち悪いものを入れないでほしいというのが本音で、非常に後ろ向きな考え方になっていると思います。

まず、Excel=マクロ、マクロ=VBA、もしくはExcel=関数=マクロ=VBAというとんでもない誤解が日本のビジネス界に多く広まっているようにも見えます。

第一段階として、表をきちんと作成し、きちんとした形でデータを蓄積していくこと、これはExcel以前に仕事の仕方として当たり前になるべきものなのですが、まったく当たり前になっておらず、データは不規則でルールが決まってないまま箇条書きにもせずただただメールで何かを忖度したような文章でスタッフ間を行き来している、ということに異常さを感じない限り先に進まないものです。

そして、Excelには計算式や関数を使わなくても役立つ「機能」がたくさんあるのでそういったものの活用をしたら今ある課題の何割が解決できるか、それをきちんと認知しなければなりません。 顧客との交渉の中でどのタイミングで顧客が興味を示し始めたのか、必要性を感じ始めたのか、具体的に予算を用意しようと考えたのか、ということは、きちんと顧客とのやり取りを一回ごとに記録した上で、並べ変え機能を使い、日付順に並べ変えればすぐにわかることでしょう。とても単純な話なのです。

もちろん計算式や関数を使えば、よりすばらしく効率化や時短ができるでしょう。しかしその利用できる機能があるということです。

Excel=VBAが分からなければ使えないということが誤解だと認識する必要があります。

とにかくExcelはビジネスで活用するためのソフトウェアですし、ビジネスで活用しやすいようにできているのです。それを、勝手にハードルを上げて難しいものだと思い込むのはとても勿体ない話です。

今ある課題に対してExcelの単純な機能から考えていって、絶対にそれだけではできないのかひとつずつ当てはめていくことによって、Excelを使うハードルが下がると思います。

顧客との交渉で、どうやったら契約できるかを調べたい、という課題があったとすれば、それはそのままExcelは考えてくれません。当たり前だと思うかもしれませんが、しかし、Excelが面倒と思う人の本音は、Excelがそのまま考えてほしいと思っていると私は考えます。

まずは過去の顧客との交渉を一件ごとに記録し、「いつ」「どこと」「どんな話をして」「契約が100%だとしたら手応えは何%なのか」を初めに記録していくことが大事です。

もちろんそれが記録されるようにスタッフにはきちんと説明しなければなりませんし、簡単に記録されるような仕組みも必要でしょう。そのような仕組みを作るのにマクロが必要かもしれません。簡単に記録されるような仕組みではなくてもスタッフが間違いなく記録できるのであればマクロでそういったものを作る必要はないのです。

あとはその記録された内容をどのように分析するかを考えるのですが、それはおそらく関数ということになります。この時もお客様ごとに集計し、レポートを作成するのにマクロが必要かもしれませんが、それも手作業でできないことはありません。

もしExcelのマクロやVBAが難しいと考えるのであれば、使わないで何とかすることを考えればいいですし、しかし、今後もずっと大量に処理するのであればマクロやVBAでの処理は絶対必要になってくるでしょうし、そもそもVBAやマクロが難しいという思い込みも一度ゼロから考え直してみることも必要なのかもしれません。

例えば分析する時も、ここのデータを分析するという課題があって、それをそのままExcelでは処理できないので、処理する順番を細かく分けます。長い文章を箇条書きにするようなものです。

Excelの苦手な方は「顧客との交渉一覧表を分析して、顧客ごとにフィルターして並べ替えてその中でこういう計算をして、最終的にこういう関数で集計して、印刷するレイアウトを整える」と一気に考えてしまうので難しいように考えるかもしれませんが、これも作業ごとに次のように分解すれば簡単なのではないでしょうか。

  1. 顧客ごとにフィルター
  2. 顧客ごとに並べ替え
  3. その中でこういう計算をする
  4. 最終的にこういう関数で集計する
  5. 印刷するレイアウトを整える

この手順で、手作業で作業をすれば作業できるでしょうし、もし毎回同じ作業をするのであればマクロで記録してもいいですしVBAで作成した方がすっきりするのでVBAで作成するのもいいですし、そのようにExcelは一人一人が自分の責任においてやり方を決められるものなので、難しいからといって使わないとか、他の人にも使って欲しくないとか、という損失にしかならないようなことはしない方が良いのではないかと思います。

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