AIを解説してみます。

コンピュータを使って自動化する場合、コンピュータにどんな流れで仕事をさせるかというのは、人間が指定します。
その時に与えられた指示通りに動くように、今の処理状況を判断するということをコンピュータが行う場合、それはAIによる判定をしてると言えます。
その判定をしない自動化も世の中にはありますが、それも含めてAIと呼ばれることもあります。
しかし、それは全くAIではありません。
その区別を私なりに解説してみたいと思います。

AIとは

AIとは、人工知能のことです。
過去に起きた事象のパターンを認識して、それと今の状況を比較して、どのように進めていくかを示すことができます。
そこにはExcelのIF関数のように、ある条件であればどうするという単純なものではなく、一種の知恵のようなものが存在していると思います。
例えば、Excelでマクロの記録をし、作業を記録したものをワンボタンで呼び出せるようにして作業の省力化をしたものはAIではありません。
それに対し新しいExcelでできるようになった、どうなっているかわからないデータを分析して、Excelが勝手に最適データと思われるグラフを作成してくれる、「アイデア機能」はAIだと感じます。

AIのようでAIではないもの

自動的に動いて処理してくれるもの=AIのように呼ばれている場合も多くありますが、それらの中には、ただ計算しているもの、判定だけしているものの場合もあり、それはコンピュータが知恵を使って判定しているとは言えないのでAIではありません。
前でもお話しした通り、Excelのマクロの記録で記録したものを実行することは、動作の流れを人間がパソコンに覚えさせただけなのでAIではありません。
VBAで作成したプログラムも、作業手順を人間が指定したものなのでAIではありません。
在庫が少なくなってきたから注文をするプログラムは、材料が少なくなったという条件に対して注文するという動作なのでAIではありません。
画面の色が変わったら自動的にボタンをクリックするようなプログラムは、色が変わったかどうかを判断しているだけなのでAIではありません。
人間が言葉を喋ったことで、パソコンがその言葉を認識し、文字を入力してくれる。ここまではAIではなく単純な変換です。でも、日本語ルールとは別に、文の流れから句読点を自動的に入力したり、前後の文から最適な漢字を選択したりするとAIになってきます。

AIの例

写真に何が写っているか判断し、その写真に言葉をタグ付けするような動作はAIです。
写真に写っているものは何が写っているかわからないですし、同様にタグ付けする言葉も無限にあります。その中から適切なものを選ぶためには、過去に様々な写真を分析しパターン化したデータに問い合わせ、その結果を知る方法でなければなりません。これがAIです。

RPAとAI

RPAとAIは同じもの、もしくは似たようなものと言われる場合がありますが、私はRPAとAIは全く別のものだと思っています。
RPAは人間の代わりに人間が教えた動作をするものです。基本的にIF関数のような判定以上の判断はしません。
AIは動作をするというよりも、過去のパターンを解析してデータベースにして、どうすればいいか判断する。それだけのものです。AI自体で何かを実行するということはありません。
RPAは自動的に人間が操作しなくてもパソコンが動作してるように見えるので、人工知能のようなイメージを持ちますが、やっていることは人間に指定された動作をしているだけなのです。そこで人間が設定した動作で対応ができなくなった時のためにAIがRPAに備わっていれば、その都度適切な判断をして最適な動作をする自動化プログラムになっていくでしょう。
RPAは指示されたことだけを忠実に守る動作をするもの、AIは知恵です。この二つが組み合わされたことによって様々なパターンの様々な動作が可能になります。

これからのAI

AIと言ってもズバリ言ってしまうとただのプログラムです。
新しい考え方や知恵をつけることは今のAIには難しいでしょう。
SFでコンピュータが賢くなりすぎて人間に牙を剥くというものが数多くありますが、現在私たちが言っているAIではそのようなことは起きません。
ただし、これからの将来、プログラム自身が自身のプログラムを書き換え始めたら新しい知恵をつけることもあるかもしれません。
そうなったらコンピュータ自身が勝手に新しい知恵の思考パターンをどんどんつけていくので、人間の思考能力を超える場合もあるかもしれませんし、その時は本当に人間の仕事をすべてコンピュータに任せられるようになります。
それが本来の「人工知能」、AIの姿なのかもしれません。
そうなったら、今、私たちが言っているAIはAIではなく、ただのパターン学習と呼ばれる時代もあるかもしれません。
逆に言うと今はまだAIは、人工知能と呼ぶには幼すぎるのかもしれませんし、過度な期待ができるものではなく、人間のアシスタントとしての役割にしかならない、まだ自分で仕事を考えられるようなものではないものと言えます。

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