Excelの使われ方3種類

01-Excelの使い方

日本のビジネスにおいてExcelの使用法は、大きく分けて「計算書作成」「一時的なデータ分析」「定期的なデータ分析」の3つに分類できます。それぞれの使用法の特徴を以下に示します。

利用目的

計算書作成は、見積書や出張申請書などを簡単に作れるようにテンプレートを用意し、必要に応じて新しい書類を作成できる仕組みを作ること。これで、業務の効率化が図れるようにします。

一時的なデータ分析は、販売データなどをさまざまな条件で、分類、集計し、その結果を評価することで、今後のビジネス戦略を立てる材料にするという使い方です。

定期的なデータ分析は、一つの分類、集計方法で定期的にデータを分析し、それ以前の分析結果と比較することで、現在の戦略が正しいかの検証をしたり、今後どういうビジネスを展開すべきか決めたりという使い方です。

これらは、仕事の流れで密接な関係を持ちます。計算書作成でどんどん作った書類は、1つのExcelファイルに集約でき、そのデータを使って分析を行うという流れを作ることができるのです。

作業内容

計算書の作成は、シート上に数式を設定し、わかりやすいように罫線などの書式を設定する。また。条件付き書式や入力規則を使って間違いなく入力する仕組みを設定する。また、セルのロックや保護などをして計算式や設定がされているところには上書き入力や設定変更ができないように工夫します。

データ分析は、アイテムごとに仕分けしその合計などを集計することが必要だが、Excelにはその機能としてピボットテーブルを使う方法と、SUMIF関数などの集計関数を使う方法の2通りがあります。

ピボットテーブルの特徴としては、一度集計した後に、違うアイテムごとに集計をし直すことがとても簡単にできます。その反面、元データが変更されたときに自動で再集計を行わないため、再集計し忘れが起きる可能性が高いのです。このことから、一時的なデータ分析時に、隠れた傾向を見るためには便利だが、定期的なデータ分析で常に最新の集計値になるようなケースでは不向きなのです。

一方、SUMIF関数などの集計関数では、元データに変更や追加があった時点でデータは再集計されます。しかし、別のアイテムで集計しようとすると、計算式を変更する必要があります。それはものすごく大変です。関数は計算式の変更忘れの危険性が高いということもあります。このことから、定期的なデータ分析に使うとよいでしょう。

グラフ

2通りのデータ分析とちらでも、グラフを使うこともあります。

一時的なデータ分析では、集計結果をまとめる速さが重要なので、正確なデータをわかりやすく表現していれば、時間をかけて書式を設定することはないでしょう。

定期的なデータ分析では、グラフは一回作ったものを毎回見るので、書式はしっかりきれいにまとめた方がよいでしょう。

Excel以外に必要なスキル

計算書作成はひな形として一つ作ったファイルからいくつもの計算書を生み出していくような使い方をするので、テンプレート機能の使い方を知っている必要があります。

一時的なデータ分析では、集計した結果をExcel上で表現するのではなく、その結果をWordなどに貼り付けて、説明と一緒にレポートにすることが多いため、ExcelデータをWordにきれいに貼り付けるスキルが必要になります。また、結果について、その結果を待っている人がどのような観点でデータを見たいかによってデータを作るという経営的視点も必要です。

定期的なデータ分析では、集計した結果をたくさんの人が同時に見られるようにするため、ファイル共有やクラウドの知識が必要になります。きれいに見せるための配色やExcelできれいに表現する「Excelを使ったデザイン」の能力も必要です。

それぞれのスキルアップの方法

Excelの勉強の方法は教科書を読んでその内容を実際に操作する、それを繰り返す、ということで進めますが、この3つの使い方によって、勉強の方法が変わります。

まんべんなく勉強するのも大事ですが、仕事上でそれぞれの使い方を意識した勉強をした方が理解度は深まります。

最も手っ取り早くこれらのスキルを手に入れるには、Excelの試験の勉強をするとよいでしょう。

Excelの試験はたくさんありますが、それぞれの試験にも特徴があり、ちょうどこの3つの使い方に当てはめることができます。

MOS試験対策

計算書作成は、MOSの試験の対策をするとよいでしょう。

MOSの試験では、Excelの様々な機能や関数を数多く学ぶことができ、それらを網羅的に使う計算書作成では、そのまま学んだことを生かすことができます。また、ファイルの保存についても様々な形式で保存する勉強もします。

MOSのExcelの試験はバージョンごとに分かれていて、それぞれのバージョンごとに一般レベルと上級レベルがあります。最新バージョンの一般と上級レベル両方を勉強することで、計算書作成で使うスキルを網羅できます。

MOS公式サイト

MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト
Word、Excel、PowerPointなどの利用スキルを証明する国際資格、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)。パソコンスキルが習得でき、就職や転職の際、資格としてアピールできます。

日商PC検定対策

一時的なデータ分析では日商PC検定(データ活用)を勉強するとよいでしょう。

日商PC検定(データ活用)では、データ分析について学ぶことができます。作り方は問わず、最終的に答えとなる表やグラフを作成できればよいという試験です。使う機能はピボットテーブル、関数はほぼVLOOKUP関数しか使いませんので一時的なデータ分析の勉強に当てはまります。

2級レベルでほとんどのスキルを手に入れられますが、1級レベルでは作成したデータから今後の方針を決めるというタスクも入りますので、難しいですが1級まで取得しているとよいかもしれません。

日商PC検定公式サイト

日商PC | 商工会議所の検定試験
各級のレベル1級企業実務に必要とされる実践的なIT・ネットワークの知識、スキルを有し、ネット社会のビジネススタイルを踏まえ、企業責任者(企業責任者を補佐する者)として、経営判断や意…

Excel®表計算処理技能認定試対策

定期的なデータ分析ではExcel®表計算処理技能認定試験を勉強するとよいでしょう。

Excel®表計算処理技能認定試験は、ほぼ白紙のデータに関数や機能を使って集計表の仕組みを作っていくということがテーマとして出題されています。永続的にデータを入れ替えれば使える計算書を作り上げます。このことから定期的なデータ分析に役立ちます。

2級以上になるとマクロの記録を使った自動化も行います。また、実技だけではなくExcelの使い方の知識試験もあるので、細かいスキルも手に入れられます。

Excel®表計算処理技能認定試公式サイト

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また、試験以外のExcelの本もたくさんありますが、勉強に使う本はそれぞれの使い方によって変わります。今、仕事でExcelを使わなければいけないというとき、とにかくExcelの本、ということではなく、今からExcelでやろうとしていることがどれに当たるか、それに当てはまる教科書を使うのがセオリーなのです。

まとめ

以上の内容をまとめた表は次のとおりです。

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