一人一台のパソコン

企業では、デスクワークのスタッフに対して一人一台以上のパソコンが与えられているケースが多くなっています。

その状況を改めて考えてみると、なぜそうなっているのか、わかっていないような気がします。たくさんの理由があると思うのですが、そうなっているからには必ず理由があるはずなのです。

入社した時に、パソコンを渡され、なぜ渡されているのか理由を説明された事がある方はいらっしゃらないのでしゃないかとさえ思っています。

そんなこと簡単じゃないか、効率化するために決まっているだろう、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現場はパソコンを使うことで本当に効率化されているのでしょうか。そうではない現場も多いのではないでしょうか。

今回はそのようなお話をしていきたいと思います。

一人一台の理由

一人一台パソコンが用意されていることの理由は数多く考えられるのですが、その中でも今思いつく理由とその状況をあげてみましょう。

連絡を取るため

社内、社外の連絡を取るために電子メールは代表的な手段です。そのやりとりをするためにパソコンを使うケースがあります。

連絡は多岐に分かれ、社内SNSの場合もありますし、Web会議やチャットツールという場合もあります。

情報を収集するため

情報を収集すると言うと、業界の動向やライバル会社の販売状況を調べて自社の売上に貢献するデータに使うようなイメージですが、それは情報収集のほんの一部で、パソコンを使ってネット検索により情報収集するというのは、仕事のやり方がわからなくなった時にグーグルで調べたり、出張の時の旅費を調べたり、お客様から注文のあったものを仕入するのにネットでその商品を検索して見積をしたり、といった使い方をしていると思います。

決して仕事で時間が余ったからと言って、興味のあることをネットで探すために企業でパソコンを与えているわけではありません。

業務で使うシステムがあってパソコンで操作するため

業務で社員全員が使う専用のシステムがあって、それはパソコンがないと操作できないという目的でのみパソコンがある場合もあります。この場合は、パソコンというよりも業務端末という側面が大きいので、パソコンが得意かどうか ということは関係なく使えるものになっているのが理想です。

実際にはWindowsのパソコンにその専用の業務の仕組みが入っているので、パソコンとしても使えるようになっているのですが、もしかしたらパソコンとして使えるようになっていない方が安全なのかもしれません。

業務を効率化するため

非常にアバウトな理由なのですが、実際に、パソコンを社員一人一人に与えている理由はなんですか?とマネージャー層の方に聞くとそうお答えになられるケースが非常に多いです。

今の時代、一人一台はあたりまえということのようにも聞こえました。

WordやExcelを使うことで業務効率化をしてほしい、それは私もそう思っていますし、それが目的なのでしょうけど、実際の現場では、Excelで計算書を勝手に作るなとか、VBAやマクロは禁止とかという現場も多いです。

特に決まったフォーマットや共有して使うドキュメントがあるならまだしも、全く一人一人が独自の資料を作成し、印刷し、みんなに配って全員がファイルリングしている、そのような使い方をされているケースがまだ少なくなく残っています。

理想

一人一台のパソコンを用意するうえでの目的は、いいアウトプットをしてもらうためなのです。そのために一台10万円以上のパソコンが用意されています。

いいアウトプットとは、わかりやすく、素早く、正確に、そして面倒ではなく、データを処理することです。

早く仕事をするというのはなにも単位時間当たりの作業の量を増やすためという側面ではありません。なにかできるものがあって、それをそのまま放っておいて、しばらくしてから作業してアウトプットしてみたら、もうその時点で他社に追い抜かれていたなどということがないように、チャンスを逃さないためにあります。

そのためには、あらかじめExcelに適切な計算書やVBAで自動的にデータを処理したりする仕組みが用意されていて、それを動かすだけでアウトプットされるようにしておかなければなりません。

そのために元のデータを引っ張ってくるところから、データをアウトプットする流れは、その人それぞれのやりかたでいいと思います。一人一人が独自のやり方で、手動で行ってもいいでしょうし、自動化の仕組みを作ってもいいでしょう。みんなで使える自動化の仕組みを作ったら誰でも使えるように共有してもいいですし。

そのようにパソコンは自由に使えるべきだと思います。

しかし、自由に使ってはいけないという現場もあります。理由は2つ、パソコンに不具合を起こす可能性があること、もうひとつは自由にすると仕事をしなくなるから、です。

でも、パソコンの正しい知識を持っていればパソコンが不具合を起こすことはありませんし、そういう基礎の知識はみんなで持っておけるようにするのも企業のやることです。WordやExcelを使っているだけはあまり不具合は起こさないような気がします。雑誌にパソコンの動きが早くなると書いてあるからレジストリを変更したとか、F1キーをはずしておくとヘルプが起動しなくてイライラしないからとかそういったことを個人個人でやらないようにする常識の力を浸透させておくことが必要です。

本当の自由にすると仕事をしないでネットばかりを見るようになってしまうという懸念もあるでしょう。しかしそれはモラルの問題だし、仕事の時間で遊ぶんじゃないよっていう話なのでそれは社員教育として徹底していくことで、だからといってパソコンの使用を することで効率が悪くなるという方向にはすべきではないと思っています。

まとめ

今回は一人一台のパソコンが配られる理由について色々考察してみましたが、この記事は新入社員の方にも読んでいただきたいし、経営層の方にも読んでいただきたいし、これから就職される方にも読んでほしいです。

自由にパソコンは使えないとやりたいことがやれません。それは購入したパソコンのコストを回収しなくてもいいということにもつながります。そうではありませんよね。コストが発生したのであればそれを回収するのは当たり前の話です。そしてそれが用意されていることで回収される以上の売上を伸ばせる、そんな使い方になってほしいなと思っています。

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