パソコンで探し物をするときの基本ANDとOR

初心者向けのExcelの情報でも、ここは「なおかつで」とか「または」でとか、解説されています。

日本語として捉えることはできるのですが、それを実践で役に立てるようにするには、もうちょっと具体的に理解しておく必要があるのでそんなお話をします。

Webで検索するときにも使いますが、この考え方はExcelを使う上でもとても重要な考え方なので、Excelを学習する前に知っておくといいと思います。

もし、今まで「なおかつ」「または」が理解できなかったという方は一度読んでみてください。

「なおかつ」「または」とはなんぞや

よく、パソコンやExcelの解説で書いてある「なおかつ」や「または」は何の為に考えなければならないのでしょうか。

何月何日にどのお客様に何という商品を何個打ったかという売上の記録表があったとします。

その中からその月に請求する内容を取り出して請求書を作成することになりますが、そのデータの取り出しを行う際には、条件を指定します。

その条件は、単純なものではないはずです。

・いつ販売したか→その月の1日以降

・いつ販売したか→その月の末日以前

・どこに販売したか→請求書を作成するお客様

以上のデータを抜き出すのです。

抜き出すときに、元のデータからその月の1日以降のデータを抜き出し、元のデータからその月の末日以前のデータを抜き出し、元のデータから請求書を作成するお客様のデータを抜き出す。

そんなわけはありませんね。3回抜き出しだうちのどの抜き出したデータで請求書を作成したらいいのかわかりません。

この場合は、一気にその3つの条件を全部成立するように抜き出すのです。その場合、それぞれの条件を「なおかつ」で結んで「販売日がその月の1日以降 でなおかつ、販売日がその月の末日以前でなおかつ、販売先が請求書を作成するお客様」という日本語で表すとよくわかりませんか?

これが「なおかつ」の使い方です。

つまり、「なおかつ」や「または」というキーワードは、何かを探すときに使う日本語ということになります。

「なおかつ」に対し「または」は、どんな時につかうのでしょう。

販売先に記録したのが「ABC株式会社」と記載している場合もあるし「ABC㈱」と記載している場合もあって、これは同じABC株式会社を指しています。その場合、本来であれば置換機能を使ってデータをどちらかに統一すればいいのですが、変更できないデータの場合はそうすることもできないので、条件として「ABC株式会社」と「ABC㈱」の両方を探すということにします。この時に「または」を使います。

「販売先がABC株式会社、または、販売先がABC㈱」という日本語にしたらどうでしょうか。どちらも抜き出されますね。

「なおかつ」と「または」を同時に使う

これまた結構複雑なことになるのですが、実務ではよくあることです。

上記の「なおかつ」の条件のように、売上日がその請求月にあたるものの請求書を作りたいお客様の請求書を作成する場合は、「なおかつ」で紹介した方法だけでいいのですが、そのお客様の名前を「ABC株式会社」と「ABC㈱」と混在して記録していた場合は、「なおかつ」と「または」の組み合わせが必要です。

一気に抽出するには、「なおかつ」と「または」の優先順位を考える必要があります。これはちょっと数学、数式的な話になります。

まず、「販売日がその月の1日以降 でなおかつ、販売日がその月の末日以前でなおかつ、販売先がABC株式会社、または、販売先がABC㈱」と表現します。

一見あっているように見えますが、その期間内の販売先がABC株式会社で抜き出されたもの他に、期間は関係なく販売先がABC㈱のものすべてが抽出されます。

この場合は、算数の式では「()」でくくるとそれが優先で計算されるという法則があるのでそれに従った日本語にします。

「販売日がその月の1日以降 でなおかつ、販売日がその月の末日以前でなおかつ、(販売先がABC株式会社、または、販売先がABC㈱)」と表現します。

このように表現することで「その販売期間内の」という部分が「ABC株式会社」と「ABC㈱」の両方にかかってきますので、「販売期間内のABC株式会社と、販売期間内のABC㈱」が抜き出しの対象になります。

ちょっとめんどくさいですね。

「なおかつ」での条件以外をどんどん削除する

「なおかつ」「または」を使うような抜き出しをするとき、条件が複雑になるとなかなか大変なものです。

実は「なおかつ」の条件に当てはまってしないものをどんどん元データから削除していき、最後に残ったものを抜き出したものとするという手法もあります。

日付順に並べ替えれば、データが日付の順に集まるので、請求月より前のデータは上の方に集まるのでそれを削除します。同じように請求月より後のデータは下の方に集まるのでそれを削除します。

次に請求先で並べ変えます。そうすると、ABC株式会社が1つにまとまって、ABC㈱も1つにまとまるのでそれ以外のデータを削除します。

それで残ったものが抜き出すべきデータなのです。

このように「なおかつ」「または」に頼らない方法もありますが、手作業や目で確認することになるので効率はよくありません。しかし、複雑な条件の場合は、悩んだ末に間違えるよりは確実な結果が期待できます。

ANDとOR

パソコンの世界ではなおかつを「AND」、またはを「OR」と表現します。

Excelでは「AND関数」「OR関数」があります。2つ以上の条件がある場合の仕分けに使います。「=AND(開始日>=A1,終了日<=A1)」で、セルA1の日付が開始日から終了日の間かどうかをチェックし、もしもそうならば、この結果は「TRUE」となります。そうでなければ「FALSE」となります。この場合OR関数にしてしまうと「=OR(開始日>=A1,終了日<=A1)」で、実はセルA1がどの日付でも「TRUE」になってしまいます。理由を考えてみましょう。

「AND関数」「OR関数」は「IF関数」と一緒に使うことが多いでしょう。

「=IF(AND(開始日>=A1,終了日<=A1),”進行中”,””)」で期間内であれば「進行中」と表示することができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました