読書感想文「御社にそのシステムは不要です」

最近読む本は全部横書きなので久々に縦書きの文字中心の本でした。

昨年くらいからタイトルに共感できちゃう本がたくさんあって目移りしてしまうのですが、そんな中でお金を出して購入してみたいなと思ったこの本です。

普段から業務効率化については漠然と何となく考えている部分というのは私の中にもあって、その中で自分なりの正しさっていうものを確立してはいるのですが、どこかでそれは人それぞれ違う価値観を持っているだろうなと思っているもあるし私が思っているものが全てではないなと思ってはいて、自信がなかった部分でもあるのですが、自分のものさしと同じ考え方が書いてあると、それがよく考えれば当たり前の話であったとしても私にとってはもうすごく自信につながるものでした。

共感できたところもたくさんあったし、まったく自分の考えとは違うところもあって自分の考えと違うところはそういう考え方と自分の考えの間に1番いいやり方があるのではないかなと思うこともできたし、そのことで顧客のニーズによってやり方を変えて行くと言うことができるようになった気がします。

初めの方から共感できたことをちょっと書いていくと。

誰もが簡単に使える仕組みを目指すというところがあって、誰もが使えるようにシステムなのだからシステム側で 誰もが簡単に使える仕組みにできるじゃないのって書いてあったのです。まさにその通りだと思いました。ここでもう一つ思ったのは誰もが簡単に使える仕組みってそんなに作るのが面倒くさいものではないじゃないかなと思っています。もちろん入力画面で項目名が表示されていなかったらどこに何を入れたらいいのかわからないですが、まさかそんな画面作らないですよね。使う人が初心者だからといって使いやすくしてほしいというニーズが本当に初心者だから使いやすくしてほしいのか、ただただ使いやすい画面にするという手間をかけてほしいのか、それはちゃんとニーズを聞き取れないといけないなと思います。

自社にとっては無駄に思えることでもお客様にとっては無駄ではないことがあると書いてあります。これは100%共感です。システムを導入することによって自社の利益になること=お客様のためになると思っていて、効率化できた分のあなたに捻出出来た時間はお客様へのサービスができる時間にあてていきたいところです。そしてお客様からの信用を勝ち取り、お客様が口コミで評判と言うノンコストのコマーシャル活動をしていただければそれはまた自社のためになり、それでできた利益をお客様に還元することができると言う、最高のスパイラルが生まれるわけです。

数万円の損失が出るより数万円の損失を恐れて挑戦から逃げてしまうことの方が経営に与えるダメージは大きい。まさにその通りです。 そのチャレンジするコストを捻出するためにも業務効率化って大事ですよね。これも業務効率化することで捻出できた時間をチャレンジするコストに当てて言って売上を伸ばす材料にしていくっていう最高のスパイラルにつながるわけです。

IT化担当者のやることとして、業務の流れを分解するということが書いてあります。これは業務をハックするっていうことだと思うのです。色々な角度で業務を見直して誰もがわかる手順書にする。ルールにする。その業務を行うための一覧表を起こす。この部分ってパソコンの使い方のそれ以前にやらなきゃいけないことでたとえばExcelの関数の使い方を一個一個覚える前に今目の前にある課題をどうExcelに落としていけば解決するのかっていうことを考える力だと思っていて、それが育つための教科書だったり勉強の方法だったりって世の中に少ないし、あったとしても関数の使い方の方が魅力的に見えてしまうのであまり注目されないという残念なことになっているのがめちゃくちゃ悔しかったりもします。

外注業者を選ぶときはこの業者とチームになれるかどうかを考えるということが書いてあります。まさにその通りなのですね。企業の垣根を越えて業務の内容にガッツリ首を突っ込んでくるくらいの外注業者さんじゃないと本当の業務効率化は一緒にできないのです。自分たちのシステムを提供する提供したいそれだけで考えられるとなんだか頼んだはいいけども出来上がったもの見てなんかちょっと違うのだよなって思ったりするのですけど、自分のこととして顧客の困っていることを一緒に解決するということがとても外注業者の選定基準としては大きなファクターを閉めると思っているし、そのためには依頼する方もこっちは客なのだぞっていう立場じゃなくて一緒にやって行くのだって言うマインドが必要だなぁと感じているわけです。

業務効率化に興味がなかったり、やった方がいいからって聞いたからやるのだとか、抵抗勢力だったりっていう人たちの攻略法も書いてあります。これは一つのこの本の目玉なので詳しくは書きませんが 一見当たり前に見える話なのですがこれをやりもしないで抵抗勢力が開いて抵抗されているとかっていうよりは1回ここに書いてあることやってみたらいいじゃないですかね。

ほぼ文字でどうしたらいいかと言う方法論よりも考え方の哲学にかなり近いのかなと思ったのですけど、そういう本はなかなか世の中に出ても光が浴びないと思うのですが、この本はちょっとそうならない気がします。タイトルがとてもずるいので絶対に共感すると思うのですよね。本屋でこのタイトル見たら手に取らずにいられないわけですよ。

しかしながら、この本が本当に必要な人にこの本が届くかって言うとそこはまたジレンマが発生してしまって、そもそも問題に思っていない人はこの本に興味がないわけで、いや本当にこの本が必要な人はこの本のタイトルを見て、業務改善って難しそうだなーって思って敬遠する人、本当におすすめしたいのはそういう人たちにオススメしたい。

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